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2010年7月 3日 (土)

”ライター”

”一式ライター”と呼んでいた、という話に遭遇することがありますが、当時の史料などで”〇〇はライターと呼んでいる”とかいう史料にお目にかかったことは、これまでありませんでした。

さて、ソロモン、東部ニューギニア方面へ陸軍航空隊が進出したのは、陸路モレスビーを攻略する作戦を上奏した際に「陸軍部隊が作戦するのに陸軍航空をださぬのか」と突っ込まれてしぶしぶながら九九双軽装備の2個戦隊と一式戦一型装備の11戦隊、1戦隊が派遣されました。当時、ビルマ方面の一式戦は二型へ更新中で、これによりあまった旧機材の一型を集めて送られています。

 昭和17年12月に11戦隊が空母でスラバヤ→トラックに移動し、一式陸攻の誘導の下ラバウルへ進出。すぐさま航空戦に参加、一ヶ月にて進出機材の過半を失う結果となっています。高速機P-38もやっかいでしたが、苦戦を強いられたのはB-17といった大型機でした。そんな状況の中、11戦隊のある操縦者は、とある意見具申を行っています。以下はその抜粋です。

体当たり機の必要性について 飛行第11戦隊 〇〇准尉

(前略)

戦闘機を以てして敵の爆撃機を撃墜し得ざる原因何処に在りや

敵は防弾(防火)装置すこぶる優れ発火困難にして、旋回銃の照準また優秀なり。ゆえに攻撃は前方攻撃に依る一手のみにして これが攻撃も接敵の間合い1000メートルをひらかざれば被弾しやすく、又受弾せば必ず発火するというも過にあらず(操縦者は大型ライター、小型ライターと自称しあり)。また、敵を発見して前方攻撃位置に占位し或いは反復攻撃を行うためには相当の長期間を要する。ゆえに敵はゆうゆう爆撃目標に向かい進入任務を遂行す。ただ、切歯扼腕するのみ。攻撃精神旺盛にしてもいかんせん13ミリ機銃1装備せるアドバルーンに似たる一式戦闘機にては詮方なし (以下略)

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この後は、いずれ日本は制空権を失い本土を重爆が襲うであろうが、二式戦、二式複戦といった新型機も対重爆邀撃では大して威力を発揮することはないであろうから、1機で大型爆撃機1機を確実に葬れる体当たり機を計画すべきだ、としています。

 この体当たり機は武装なしで構わないので敵重爆より高速、体当たり時点まで耐えられる防弾、防火性能を有し、できうれば体当たりしても操縦員席が守られるようなものが望ましい、としています。

 最後は”日本本土上空に於いて敵と刺し違えて潔く散華するは吾等の最も本望とする処なり”とまとめられています。

 とまあ、長くなりましたら、昭和18年の時点で戦闘機でもライターと自称していた、というのはちょっと考えさせられました。

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